東京都「温室効果ガス排出量総量削減義務と排出量取引制度」
都内の一事業所の燃料、熱及び電気の等のエネルギー使用量が原油換算で年間1,500KL以上
事業所ごとに判断し、以下の報告等が個別に必要
- ・毎年、計画書の提出(11月末)
- ・統括管理者、技術管理者の選任
- ・組織体制を設備
- ・排出総量の削減義務 等
省エネ法の正式名称は、エネルギーの使用の合理化および非化石エネルギーへの転換等に関する法律です。この法律は、エネルギー資源を有効に利用するために、エネルギーを使用するすべての工場、輸送、建築物など(業務部門と家庭部門)における省エネ化を促進する目的で制定された法律です。
オイルショックを契機として昭和54年(1979年)に施行され、その後、平成20年(2008年)の改正によって、企業単位で一定規模以上のエネルギーを使用した場合は、エネルギーの使用状況等についての定期的な報告や省エネや非化石転換等の取組や計画策定が必要になりました(以前は事業所単位)。また、省エネ法以外にも地球温暖化防止に関する取り組みを条例で定めている自治体もあり、その内容や報告様式は自治体によってさまざまです。
エスコでは、専門のコンサルタントが省エネ法・各種条例に関する書類作成を支援し、法令に則ったエネルギー管理をサポートいたします。
省エネ法におけるエネルギーは、主に燃料・熱・電気を対象としており、化石エネルギー・非化石エネルギーで分類されます。以下の表は、省エネ法におけるエネルギーをまとめたものです。
化石エネルギー | 非化石エネルギー |
---|---|
・石油 ・揮発油 ・可燃性天然ガス ・石炭 など |
・黒液 ・木材 ・廃タイヤ ・廃プラスチック ・水素 ・アンモニア ・非化石熱、非化石電気 など |
非化石エネルギーは、令和5年4月から新たに報告対象に加わえられました。非化石エネルギーにある非化石熱には、太陽熱・地熱・温泉熱・雪氷熱などが含まれます。また非化石電気には、太陽光・風力・水力・地熱による電気などが当てはまります。これにより、すべてのエネルギー使用の合理化が求められるようになりました。
省エネ法による規制は、大きくエネルギー使用者への直接規制・間接規制の2種類にわけられます。
エネルギー使用者への直接規制は、工場・事業場・運輸分野が該当します。工場(事務所や事業場など)の設置者や輸送事業者・荷主に対して、省エネの取り組みを実施する際の目安となる判断基準を示し、一定規模以上の場合にはエネルギー使用状況などの報告も定められています。
また、省エネに関する取り組みが不十分な場合には指導や助言、合理化計画の作成を指示などをおこなうこととされているのが特徴です。
一方で、エネルギー使用者への間接規制は、機械器具(自動車・家電製品や建材など)の製造・輸入事業者などが対象とされています。エネルギー消費効率の目標を示して達成を求めつつ、結果が不十分な場合には勧告などをおこなうこととされています。
オフィスビルや店舗等の電気、ガスなどのエネルギー使用に関する省エネ法では、管轄の地方経済産業局へ届出をおこない、特定事業者または特定連鎖化事業者の指定を受ける必要があります。
特定事業者・特定連鎖化事業者に指定された企業は、企業単位あるいはフランチャイズ全体でエネルギー使用状況を把握する必要があります。そのデータをもとに経済産業局へ定期報告書などを提出することが義務付けられています。
特定事業者・特定連鎖化事業者として義務の対象となる事業場数の一般的な目安
ホテル | 客室 約300室以上 |
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病院 | 病床 約500床以上 |
コンビニエンスストア | 約30店舗以上 |
ファーストフード店 | 約25店舗以上 |
ファミリーレストラン | 約15店舗以上 |
フィットネスクラブ | 約8店舗以上 |
企業全体で、本社、支店、営業所、フランチャイズ店舗などの年間エネルギー使用量の合計が原油換算値で1,500kL以上の場合、その企業は本社管轄の経済産業局などへ届出をおこない、特定事業者または特定連鎖化事業者の指定を受ける必要があります。
特定事業者・特定連鎖化事業者に指定された企業は、「定期報告書」と設備改善の「中長期計画書」を提出すること、原単位年平均1%以上の改善やエネルギー管理統括者・企画推進者を選任し、エネルギー管理体制を推進することが義務付けられます。
省エネ・コスト削減のエキスパートとして、高い専門性と豊富な経験をもとに、エネルギー改善のための診断調査・省エネルギー計画書作成・コンサルティングをおこなっているエスコでは、自治体ごとに異なる報告様式などにも対応し、複雑な定期報告書の作成を支援いたします。
省エネ推進と経費削減をご検討のビルオーナーや企業様はぜひご検討ください。
温対法(正式名称:地球温暖化対策の推進に関する法律)とは、温室効果ガスを多く排出する方(特定排出者)に対して、自らの温室効果ガス排出量の算定・国への報告が義務づけられている法律のことです。国に報告された情報は、公表することも定められています。
温室効果ガスに該当するのは、以下の通りです。
それぞれの温室効果ガスの特定排出者が温対法の対象者となります。
温対法と省エネ法の違いとしてまず挙げられるのは、定められた目的です。温対法が地球温暖化対策の推進を目的としているのに対し、省エネ法はエネルギーの使用効率化を目的として制定されています。温対法が温室効果ガスの排出、省エネ法がエネルギーの使用に関して焦点を当てているのが違いの1つです。
温対法・省エネ法では定められた目的が違うことから、対象となる物質も異なります。それぞれの対象となる物質に関しては、以下の表を参考にしてみてください。
温対法 | 省エネ法 |
---|---|
・エネルギー起源二酸化炭素(燃料の使用または他人から供給された電気もしくは熱の使用にともない排出されるCO₂) ・非エネルギー起源二酸化炭素(上記以外で排出されるCO₂) ・メタン(CH₄) ・一酸化二窒素(N₂O) ・ハイドロフルオロカーボン類(HFC) ・パーフルオロカーボン類(PFC) ・六ふっ化硫黄(SF₆) ・三ふっ化窒素(NF₃) など |
●化石エネルギー ・石油 ・揮発油 ・可燃性天然ガス ・石炭 など ●非化石エネルギー ・黒液 ・木材 ・廃タイヤ ・廃プラスチック ・水素 ・アンモニア ・非化石熱、非化石電気 など |
各都道府県の条例は違いがありますので、東京都「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」通称「環境確保条例」と比較しながら見てみましょう。
東京都と東京都以外の都道府県の制度に関する違いは、以下の表の通りです。
都道府県 | 条例・制度 |
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東京都 | 例:都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例) ・温室効果ガス排出量総量削減義務と排出量取引制度 ・中小規模事業所の地球温暖化対策報告書制度 |
大阪府 | 例:大阪府気候変動対策の推進に関する条例など ・エネルギーの多量消費事業者等による報告制度 ・小売電気事業者等による報告制度 ・高効率で環境負荷の少ない火力発電設備の設置に係る届出・公表制度 |
福岡県 | 例:福岡県公害防止等生活環境の保全に関する条例 ・工場等に起因する公害の防止 ・日常生活等に起因する生活環境への負荷の低減 ・条例の適用除外、市町村への権限移譲など |
東京都「環境確保条例」では2つの制度がありますが、大阪府では3つの制度があります。
それでは、東京都の2つの制度について、簡単に内容を見てみましょう。
対象 | 都内に燃料、熱及び電気の等のエネルギー使用量が原油換算で年間1500KL以上の事業所を持っている会社 |
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特徴 | 報告書の提出義務と3ヵ年連続して 原油換算1500kL以上のエネルギー使用により温室効果ガスの排出量削減義務を履行しなければならない。 |
削減期間 | 第1計画期間: 2010年度~2014年度 第2計画期間: 2015年度~2019年度 第3計画期間: 2020年度~2024年度 |
提出期限 | 報告書関連書類 毎年11月末まで |
対象 | 都内事業所を合算して、燃料、熱及び電気の等のエネルギー使用量が原油換算で年間3000KL以上となる会社 (事業所あたり原油換算30kL以上、1500kL未満) |
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特徴 | 報告書の提出義務はあるが削減義務はありません。 |
提出期限 | 毎年8月末まで |
都内の一事業所の燃料、熱及び電気の等のエネルギー使用量が原油換算で年間1,500KL以上
事業所ごとに判断し、以下の報告等が個別に必要
都内の全事業所の燃料、熱及び電気の等のエネルギー使用量の合計が原油換算で年間3,000KL以上の事業者
例えば、
の場合、全体で
3,120kL≧3,000kL
となるので、事業者で判断し、以下の報告等が必要
省エネ法 | 温暖化の防止等に関する条例(東京都) | |||
---|---|---|---|---|
大規模事業所 | 中小事業所 | 車関係 | ||
対象基準 | 1,500kL以上 | 1,500kL以上 | 3,000kL以上 | 乗用車、トラックを30台以上 使用する事業者(二輪車除く) |
事業者 | 事業所 | 事業者 | ||
低減目標 | 努力義務有 | 削減義務有 | 努力義務有 | 努力義務有 |
提出期限 | 毎年7月末まで | 毎年11月末まで | 毎年8月末まで | 毎年5月末まで |
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