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2023.11.01
照明のLED化は、効率的な省エネ対策の一つと言われています。白熱電球や蛍光灯などに比べて、寿命や消費電力など多くのメリットを持っているLED。省エネ、コスト削減と一口に言っても、その効果はどこまであるのかが気になる方も多いことでしょう。
今回は、LEDの特徴をご紹介しながら、その省エネ効果についても、白熱電球や蛍光灯と比較して解説します。
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LEDはLight Emitting Diodeを略したもので、発光ダイオードとも呼ばれています。LEDは基盤に使用する素材によって色を変えることができ、1993年に青色LEDが登場したことで、白色光を作り出すことが可能になりました。
これまでLEDは、信号や標識、ディスプレイに使用されるのが主でしたが、青色LEDの開発によって、照明用光源として注目されるようになりました。
LEDは従来の照明に比べて多くのメリットを持ち、その性能の高さから白熱電球と蛍光灯に次ぐ第4世代の明かりとされています。
日々改良が加えられ、発光効率の高い白色LEDが増えてきたことから、現在では急速に照明のLED化が進んでいます。
白熱電球や蛍光灯など、従来の照明よりも省エネ効果が高いと言われるLED。さまざまなメリットがあるということを知っていても、具体的にどのような特徴があるのかを知らない方も多いのではないでしょうか?
効率的な省エネ対策として、一番最初に挙げられる照明機器のLED化。私たちの生活をよりよいものにするために、ぜひ知っておきたいLEDのメリットについてご紹介します。
LEDは消費電力が少ない
LEDの消費電力は白熱電球の約20%、蛍光灯の約30%、水銀灯の25%と言われています。電気代の大幅な削減が可能なため、電気代の見直しをする際にはLEDへの切り替えがもっとも効率的なのです。
LEDは長寿命
白熱電球は約1,000~2,000時間、蛍光灯は約6,000~12,000時間、水銀灯12,000時間であるのに対し、LEDの光源寿命は約40,000~60,000時間となります。
40,000時間のLEDを1日10時間点灯、年間3,000時間点灯していたとしても、10年間は寿命が持つということになりますね。白熱電球の数十倍、蛍光灯の数倍も寿命が長いのです。
※LEDの定格寿命とは光源が点灯しなくなるまでの総点灯時間または、全光束(光の量)が点灯初期に計測した値の70%に下がるまでの総点灯時間のいずれか短い時間を推定したものと規定されております。
半導体であるLEDは半永久的に光りますが、照明器具に使われている材料などが劣化してしまうため、年数を経て光が弱くなってしまいます。製品本来の力を発揮できない状態になってしまうため、8~10年が交換の目安とされているのです。
白熱電球なら数か月、蛍光灯なら数年で交換となってしまうため、それに比べるとLEDは劇的に交換の頻度が低いということがわかります。特に高所に設置されている水銀灯などは、交換の際にランプ費用だけではなく、高所作業車などの費用が発生するため、交換作業にかかる費用が削減できるのは嬉しいです。そのため、水銀灯代替器具には光源寿命60,000時間の製品が数多く開発されております。
LEDのデザイン性
従来の照明器具に比べて、LED照明器具は薄くコンパクトに設計されておりデザイン性に優れております。各照明メーカーは様々なラインナップを用意しており、どのような従来の照明器具からも更新できるよう、数多くのLED器具が開発されております。
LEDはデザイン性もさることながら、光源が樹脂カバー等で覆われいるため、従来の蛍光灯や白熱灯のようにガラスの破損による事故などを防ぐことが可能となります。
LEDはさまざまな色の表現が可能
LED照明は昼光色、昼白色、白色、電球色などの様々な光色を出すことが可能です。これは光の色を表すための単位「K(ケルビン)」の違いによるものです。
同じ白色LEDでも、色温度が低いほど赤味が強い「電球色(2,700~3,000K)」、色温度があがるにつれて黄色みを帯びた「温白色(3,500K)」になり、さらに高くなると青みがかった白い光「昼光色(5,000K)」に変化していきます。
色温度の低い電球色は落ち着いた空間に、色温度の高い昼光色は作業スペースなど、それぞれに適した場所があるため、導入の際は光の色も考慮する必要があります。昨今では調色機能付きのLEDが普及しており、リモコン1つで様々な空間を演出することが可能です。
例えば、昼間は外光利用をし、「昼白色50%」に調光し、団らん時や就寝まえ、寝室などでは「電球色50%」にするなど、シーンに合わせてムダなく点灯することができるため便利に省エネができます。
便利で省エネ性能も高いLEDですが、多くのメリットの裏に、デメリットも存在しています。しかし、現在では企業のたゆまぬ努力によって日々改良が加えられ、改善に向かっています。
LEDは初期費用がかかる
従来の照明器具に比べて、LEDは照明自体の価格は高く設定されております。そのため、一気にLEDへ変更する場合は初期費用が大きくかかってしまうのです。
昨今では改良や価格競争が進んだことで、LEDの価格も下がってきており、昔に比べて従来の照明器具との価格の差は少なくなってきております。
初期費用は発生するものの、省エネにより、電気代を大幅に削減できるため、トータルで見るとLEDの方が断然おトクに使えるのです。
LEDは光が広がりにくい
白熱電球や蛍光灯は、360°全ての方向に光を照射し、器具本体の反射板を活用し空間を明るく演出しておりました。しかしLEDは構造上散光しにくい性質を持っています。同じ条件であったとしても、直下照度は明るく感じられますが、光の広がり方が暗くなった印象を受けることがあるのです。また、LEDは指向性が強く、グレアを感じやすい傾向にあります。
現在では光の広がり方を改良したものや、グレア対策を装備したLEDも開発されており、製品によってはデメリットをカバーすることが可能です。また、照度の設計により、壁や天井の反射を用いて空間を明るく演出することも可能となります。
マンションの照明を蛍光灯からLEDへ切り替えた場合、省エネ効果はどのように変化するのでしょうか。
電球型蛍光灯もLED電球も60形、昼光色となるべく条件を揃えて省エネ効果をみます。それぞれの消費電力をまとめてみると…
【電球型蛍光灯からLED電球へ】 | ||
1つあたりの消費電力 | 20個あたりの消費電力 | |
電球型蛍光灯 | 11W | 220W |
LED電球 | 7.3W | 146W |
電球型蛍光灯をLEDにすることで、約34%もの省エネ効果が見られます。また、LEDは電球型蛍光灯に比べて1年間の電気代も大幅に安くなります。
年間の点灯時間は3,650時間(1日10時間計算)とし、電気料金の目安単価(27円/kWh)からかかる電気代を算出すると、電球型蛍光灯は 20個あたり21,681円、LED電球は14,388円という結果になりました。
1年間当たり約7,293円の電気代削減が可能となり、LEDへ照明を切り替えるだけで大幅に電気代を節約することができます。
照明器具をLED化した場合の削減電力・電気代の比較をご覧ください!
ここまで、LED照明の概要やメリット・デメリットを解説しました。とはいえ、LED照明をどう選べばよいのかよくわからない方もいるのではないでしょうか。
LED照明を選ぶ時のポイントは、以下の4つです。
それぞれの内容を詳しくご紹介します。
LED照明を選ぶ際、口金のサイズは必ず確認しましょう。サイズを間違えて購入すると電気がつかないだけでなく、電球が壊れたり電流がショートしたりする恐れがあります。
LED電球の口金のサイズとしては、一般的な家庭で使用される規格はE26・E17があります。それぞれの口金の特徴は、以下の通りです。
※その他にもE11・E12・E39がありますが住宅用の照明器具ではほとんど使われてません
口金のサイズ |
特徴 |
E17 |
直径17mmある少し細長い形状の口金。国内でもミニクリプトン球やシャンデリア球などに用いられている |
E26 |
国内でも多く普及している一般的な口金サイズ。トイレや洗面所、風呂など家庭内のメインの照明器具の口金として使用されている |
LED照明は、口金サイズに間違いがないか確認したうえで購入に進んでください。
※口金サイズが適合していても、安定器が使用されている器具には使用できませんのでご注意ください。発火や電気事故に繋がる恐れがあります。
LED照明を選ぶ際、現在お使いの照明と同じ光の量(明るさ)のものを選ぶことが大切です。光の明るさの単位は「ルーメン(lm)」で表示されており、照明のカタログやパッケージにルーメン表記で明るさが記載されています。
電球とLED照明の明るさの目安については、以下の表を参考にしてください。
口金サイズ |
交換前 |
交換後 |
|
一般電球W形 |
電球形蛍光ランプ |
LED照明 |
|
E17 |
60形 |
15形 |
760ルーメン以上 |
40形 |
10形 |
440ルーメン以上 |
|
25形 |
- |
230ルーメン以上 |
|
E26 |
100形 |
25形 |
1,520ルーメン以上 |
60形 |
15形 |
810ルーメン以上 |
|
40形 |
10形 |
485ルーメン以上 |
表を参考に、現在のお使いの照明と同じ明るさや適していると感じた明るさのLED照明を選んでください。
LED照明は、光の広がり方にも種類があります。具体的には「全方向が明るいタイプ」と「下方向が明るいタイプ」の2種類です。
それぞれの特徴について、以下の表をご覧ください。
光の広がり方 |
下方向が明るい |
全方向が明るい |
特徴 |
下方向に特化した光の広がり方。横方向などの光の広がり方は全方向より劣る |
白熱電球に近い光の広がり方が特徴 |
使用例 |
・ダウンライト ・スポットライト |
・ダウンライト ・ペンダント ・フロアスタンド |
全方向に明るいタイプは、リビングやダイニングのダウンライト・ペンダントなどにおすすめです。一方で下方向が明るいタイプは、廊下やトイレ、洗面所などのダウンライトや絵画などを照らすスポットライトに適しています。
LED照明を設置する場所に対して適した光の広がり方を選びましょう。
LED照明の光の色には、電球色・温白色・昼白色・昼光色などの種類があります。そのため、寝室やリビングなど場所に応じて好みのものを選びましょう。
光の色の特徴については、以下の表の通りです。
光の色は色温度(ケルビン)で表記されていることがあります。
光の色 |
色温度 |
特徴 |
電球色 |
2700~3000 |
温かみのある光。電球に似た光で、落ち着いた部屋になる |
温白色 |
3500 |
明るさ感と温かみの両方ある光。ナチュラルで柔らかめの部屋になる |
白色 |
4000 |
温白色と昼白色の間で、月の光に近い色合い |
昼白色 |
5000 |
自然な雰囲気の光。自然な雰囲気の部屋になる |
昼光色 |
6500 |
爽やかな光。クールな雰囲気の部屋になる |
一般的には落ち着いた空間では色温度が低いランプ、活発な空間では色温度が高いランプが適しています。
また、光の色はメーカーによってラインナップが異なるのも特徴です。購入するLED照明がどの光の色に該当するのか確認したうえで選んでください。
フロスト・アンド・サリバン社から2015年に発表された市場調査レポート「世界のLED照明市場(グローバル・インフォメーション社HP)」では、2014年にはLED照明の普及率は世界の照明市場の40%にまで達し、世界的なブームを巻き起こしたと明言されているLED。
世界的にLEDは信号機の照明として積極的に取り入れられており、シンガポールやストックホルムでは、すべての信号がLEDになっています。
低価格化が進んだことで、ますます多くの国でLED照明の採用が増えてくるようになりました。アジアを中心に需要が増加していく傾向にあり、LED・有機EL照明へのシフトが進んでいます。
インドでは、電力消費量削減のため、政府主導でLED照明の普及に取り組んでいます。各自治体に補助金を提供して街灯をLEDにすることを推奨し、その結果、消費者の反応も良かったことから、LED街灯の設置がさらに広がることになりました。
夏季に集中する電力不足を背景に持っているタイは、省エネ効果の高いLED照明への需要が増大しています。2011年8月に「Thailand 20-Year Energy Efficiency Development Plan (2011-2020)」を制定したタイ政府は、全政府機関の照明用電球を全てLEDへの切り替えや、高速道路の街灯をLEDへ切り替えなど、2020年までを集中投資期間としてさまざまな取り組みを行っています。
欧州、北米市場においても照明器具のLED化が急激に進む状況となっており、世界各国で消費電力の削減に努めている状況です。
また、オーストラリアをはじめ、EUや中国など、消費電力の高い白熱電球を廃止する動きもあり、照明器具は省エネ効率の高いLEDへ移行していくことでしょう。
2011年に起こった東日本大震災後の電力不足の影響で、LED照明の需要が高まる事となった日本。
2010年6月に閣議決定された「新成長戦略( 首相官邸HP)」「エネルギー基本計画(経済産業庁HP)」で、日本政府は省エネ性能の高いLEDや有機ELなどの次世代照明について、2020年までにフロー(出荷)で100%、2030年にはストック(設置)で100%普及させる目標を掲げました。
年間出荷のうち、LED照明における比率は2017年に90%を超え、2018年には95%を達成しており、目標をほぼクリアしていると言ってもいいでしょう。
また、「日本再生戦略(文部科学省HP)」として、2020年までに公的設備・施設のLED等高効率照明の導入率100%達成の目標も打ち出しています。現段階で最も省エネ性能の高い照明として、着実にLEDの普及が進められているのです。
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長寿命で電力消費量の少ないLED照明は、従来の照明に比べて大幅なコスト削減が可能です。イニシャルコストはかかってしまうものの、ランニングコストが低いため、短期間で費用を回収することができるのです。
導入と同時にCO2の排出量も削減でき、補助金や助成金の対象になる場合もあるため、おトクに省エネ・地球環境保全への貢献もできて一石二鳥!
多くのメリットを持ち、現段階で最も省エネ性能が高いLED照明。エネルギーの見直しを考えている方は、ぜひLEDへの切り替えをオススメします。
国内大手照明メーカーは水銀水俣条約により、蛍光灯器具やランプの製造を中止し、LEDの一本化に向けて動いております。弊社では今後入手が困難になる白熱灯や蛍光灯から省エネ率が高いLEDへの更新を推奨しております。マンションの省エネ対策をお考えの場合は、エスコにご相談下さい。
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