2023.12.14

キュービクル(変圧器)更新に活用可能な補助金

 

たくさんの電力を使用している事務所や工場等に設置されているキュービクル。
事業活動を行うのに必要不可欠なものですが、設置から15年以上経過すると、経年劣化で火災等の原因になりかねないため、定期的な更新・メンテナンスが必要です。

本記事では、キュービクル(変圧器)更新に活用可能な補助金をご紹介します。

こんな方におすすめです。
・企業の経営幹部の方
・施設担当で省エネ対策を任されている方

今回は、キュービクル(高圧受変電設備)と変圧器の関係、補助金、過去の採択事例を解説していきます。

点検から改修工事までワンストップで対応! エスコのキュービクル保安点検

01.キュービクル(高圧受変電設備)と変圧器の関係

01.1キュービクルとは?

キュービクルとは、正式名称を「キュービクル式高圧受電設備」といい、変電所から供給される高電圧の電気を、ビルや住宅などで使用できる低い電圧に変圧する設備のことです。

受変電設備は通常「区分開閉器、断路器、遮断器、変圧器、保護継電器、制御装置、計測機器、低圧配電設備」で構成されていますが、これらを全て鉄箱に一括して収容したパッケージ製品が「キュービクル式」の受変電設備といいます。

01.2変圧器とは?

変圧器とは、トランスと言われる、交流電源の電圧を変換する装置です。100~200Vの低圧受電を行っている事業場や一般住宅等の場合は、電柱につけられていることが多いです。

6600Vの高電圧を受電している工場や事業場の場合は、上記キュービクルの内部に収められていることが多いです。

01.3PCB処分はお済みですか?

PCBとはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、人工的に作られた、 主に油状の化学物質です。PCBは人体に悪影響があるとして既に製造が中止されておりますが、1994年 以前の一部の電気機器(変圧器・コンデンサー等)にPCB汚染があるものがあり、適切な処理が求められています。中でも1972年以前に製造された電気機器は高濃度のPCBが含有している可能性が非常に高く変圧器に関しては遅くても2022年3月までに処理する必要があり、一部の地域ではすでに処理期限を迎えています。また、1973年から1994年までの変圧器に関しても低濃度のPCB含有があった場合は2027年3月までに処理をする必要がございます。処理方法についても、決められた処分業者での適切な処理が求められています。
処理を期間内に行わなかった場合は処分ができなくなり、保管者(所有者)へ罰則もございます。
PCB汚染が疑われる場合、主任技術者等に問い合わせ、検査を実施することをおすすめします。

02.キュービクル(変圧器)に活用可能な補助金

02.1キュービクルの更新・交換に補助金は使える?

キュービクル自体に対しての補助金はありませんが、キュービクル内部の「変圧器」については、経済産業省や環境省などの補助金が活用できます。トップランナー基準(国が定める省エネ基 準)を満たした高効率機種に更新することで、電力損失を減らし、省エネ・低炭素化が可能になるため、補助金の活用が認められます。

設備に合わせたコンサルティングを行います。ご相談はこちらから!

02.2変圧器更新に活用可能な補助金の例

変圧器更新に活用可能な補助金はたくさんありますが、そのうち使いやすいものをいくつか抜粋しました。

予算 補助事業名 対象事業者 工事内容 令和5年度事業内容 備考
補助額上限 対象経費 補助率
経済産業省 省エネルギー投資促進支援事業費補助金((c)指定設備) 全ての事業者 空調、照明、給湯器、変圧器、冷蔵冷凍設備など 1億円 設備のみ 1/3以内 設備単体からみた省エネ率で審査してくれる。
環境省 工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(設備更新補助事業) 全ての事業者 事業所全体に対する省エネ率の高い工事 1億~5億円 設備及び工事 1/3以内 採択には、事業場全体から見た省エネ率が必要。
複数設備の更新が必須。
脱炭素計画の策定も必須。

02.3変圧器更新に活用する補助金のポイント

変圧器更新の補助金の中で、「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(設備更新補助事業)」は、事業場全体から見た省エネ率が重要な為、変圧器以外にもさまざまな設備(照明や空調など)を更新する場合にオススメです。

変圧器単体での更新の場合、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金((c)指定設備)」で申請できますが、対象となる機器性能の要件が厳しくなり年々補助金獲得が難しくなってきています。補助金を活用したいのであれば早めの計画・更新をおすすめします。

03. 変圧器の補助金採択事例

エスコの変圧器更新での補助金採択例をご紹介させていただきます。

活用補助金 地域 建物種類 工事内容 総工事費 補助金額 実質負担
東京都補助金 東京 オフィスビル 空調・照明・変圧器 ¥26,472,000 ¥16,621,000 ¥9,851,000
ASSET事業(環境省) 千葉 学校 照明・変圧器 ¥62,549,200 ¥19,301,000 ¥43,248,200
エネルギー使用合理化(設備単位) 神奈川 工場 変圧器 ¥39,500,000 ¥6,078,000 ¥33,422,000
エネルギー使用合理化(設備単位) 秋田 倉庫 照明、変圧器 ¥4,518,300 ¥825,100 ¥3,693,200
省電力設備単位 静岡 ホテル 変圧器 ¥4,100,000 ¥708,333 ¥3,391,667
省電力設備単位 東京 工場 変圧器 ¥4,830,000 ¥554,400 ¥4,275,600

04.まとめ

本記事では、キュービクル(変圧器)更新に活用可能な補助金をご紹介しました。
定期的に更新が必要なものだからこそ、事前に計画し、うまく補助金受給ができたら、大幅な費用削減につながります。

エスコでは、お客様のご希望や省エネ診断結果を基に最適な補助金・助成金を選定し、申請から工事及び完了報告書提出まで一貫したサービスをご提供いたします。省エネ診断・コンサルティング、省エネ設備更新工事、LED照明・工事もあわせてご検討ください。

省エネ設備投資額を大幅に削減するエスコの省エネ補助金コンサルティング

エスコの補助金コンサルティング事業はこちら
https://www.esco-co.jp/service/hojyokin/

関連コラム

COLUMNS

お問合わせはお電話かメールにて承ります。
お気軽にご連絡ください。

0120-60-9444

10:00~12:00、13:00~17:00

※土日祝を除く