2024.09.10

分電盤の交換目安と費用を解説! 業者選びと見積もりのポイント

企業や施設、マンションにとって、老朽化した分電盤は、安全性の低下や電気トラブルのリスクを高めるおそれがあるため、分電盤の交換は重要なメンテナンス事項です。

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1.分電盤とは?その基本について詳しく解説

分電盤は、施設全体の電力を一元管理し、トラブル時に迅速に対応する中心的な役割を果たします。安全で効率的な電力供給を維持するためには、分電盤の交換は重要な作業です。

では、そもそも分電盤とブレーカーの違いはなんでしょうか。

1.1.分電盤とブレーカーの違い

分電盤とブレーカーは、どちらも欠かせない電気設備の一部ですが、大きな違いがあります。
分電盤は建物全体の電気を管理し、各部屋や設備に適切な電力を供給します
一方、ブレーカーは各回線の過負荷や短絡時に自動的に電流を遮断し、火災や故障を防ぎます

分電盤とは、電力会社から供給される電気を各部屋や設備に安全かつ効率的に配分する役割を担っています。分電盤にはブレーカーや漏電遮断器が設置されており、それらが電気の流れを細かく制御・管理します。
ブレーカーは、電流を遮断する装置であり、過負荷や短絡が発生した際に自動的に電流を遮断し、電気事故を防ぎます。ブレーカーは分電盤の中に各回路ごとに配置されており、異常時には即座に動作して安全を確保します。
つまり、ブレーカーは分電盤を構成する重要な部品であり、複数のブレーカーや漏電遮断器等で分電盤が成り立っているといえます。

ブレーカーの仕組みについては、こちらの記事をご覧ください。

1.2.各ブレーカーの種類と役割

ブレーカーにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる役割を果たします。代表的なブレーカーには、過電流を防ぐための過電流遮断機、短絡電流や地絡電流を遮断する漏電遮断機、そして過負荷を防止する過負荷遮断機などがあります。

過電流遮断機は、過剰な電流が流れる際に自動的に回路を開くことで火災や機器の破損を防ぎます。漏電遮断機は、漏電を検知して直ちに電流を遮断し、安全を確保します。過負荷遮断機は特定の回路に流れる電流が容量を超えた場合に働き、過熱を防ぎます。

これらのブレーカーを適切に選択し、分電盤は設計されています。従って、分電盤の定期的なメンテナンスは、電気系統の安全性を確保し、予期せぬ停電や設備の故障を防ぐためにも欠かせません。信頼できる業者と連携し、最適な分電盤交換をおこなうことが求められます。

1.3.分電盤の役割と必要性

分電盤の主な役割は上記で述べた通り、電力供給の分配と保護です。電力会社から供給される高圧電流を各部屋や電気機器に適切な電圧に変えて配分し、安全で効率的な電力利用を実現します。

分電盤は、電力を各部屋や設備に適切に分配し、効率的かつ安全な使用を可能にします。また、分電盤にはブレーカーが内蔵されており、施設内の電気配線の安全を確保します。過電流が流れた際には自動的に電流を遮断し、火災や機器の故障を未然に防ぐことができます。そのため、分電盤の機能を適切に保つことが重要です。

2.分電盤の交換が必要な目安

分電盤は企業や施設、マンションの管理において、安全で効率的な電力管理をおこなうため不可欠な設備です。停電や火災のリスクを防ぐためにも分電盤は必要です。

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインによると、28~32年で分電盤の改修スケジュールを作成しています。30年程度を分電盤交換の目安の時期としてもよいでしょう。

参考:国土交通省 長期修繕計画作成ガイドライン


とはいえ、30年間そのまま放置していてよいかというと、そうではありません。

上記でも示した通り、分電盤は複数のブレーカーや漏電遮断器等で構成されています。
分電盤の内部機器の交換推奨年数は、機器によっても異なりますが、良好な環境下においてもおよそ10~15年と定義されております
つまり明確に実施する時期が定められていない設備のため、定期的にコンディションを把握することが非常に重要となるのです。

ブレーカーの更新タイミングは?

古い分電盤は、漏電ブレーカーがない場合もあります。そういった際には抜本的な設計見直しが必要になります。特に雨などによる水漏れによる漏電は、感電や、火災を引き起こす原因といわれています。

最新の分電盤は、より精緻に、漏電や過電流などにも対応しているものが多く、高い安全性能が期待できます。

2.1.交換が必要な目安とは?

以下の状況が発生した場合、速やかに分電盤の交換を検討することをおすすめします。

1 設置から15年以上経過した分電盤:時間が経つと部品が劣化しはじめ、トラブルの原因になります。特に40年を超えるような分電盤は技術的なサポートが難しくなることが多いため、早めに交換をしましょう。

2 頻繁にブレーカーが落ちる:これは過負荷や内部の故障が発生している可能性があります。接続される設備の継続利用が困難になるリスクが高くなるため、早急な対応が必要です。

3 異音や異臭がする場合:これらは内部の故障や不具合のサインです。放置すると火災のリスクがあります。

4 ブレーカーやコンセントが熱くなる場合:これは過負荷や接触不良の可能性があり、設備の早期交換が望まれます。

5 分電盤自体に目立った破損がある場合:物理的な破損は直接的な故障や安全性の問題を引き起こします。

電力の安定供給と安全性の確保は、非常に重要です。
上記以外にも、設置環境によっては驚くほどの短期間で深刻な劣化をしていた実例もあります。専門業者による定期的な検査をおこなうことが、非常に重要です。

2.2.ブレーカーの落ちる頻度が多いとき

自宅などの個人住宅で家庭用ブレーカーが落ちる頻度が高い場合、それは電力使用量が分電盤の容量を超えている可能性があります。特に家電製品が増え電力消費が増えている場合は、ブレーカーの交換が必要です。

一方、企業や施設、マンションなどでは、この問題がさらに深刻化することがあります。電気設備利用の実態と分電盤の設計とのギャップが顕著になると、ブレーカーが落ちるだけでなく、設備の故障や最悪の場合には火災を招くなどのリスクがあります。

株式会社エスコでは、単なる分電盤の交換だけでなく、使用実態に即し、現在の法規に適合した再設計をおこない、電気料金の面においても最適化したコスト削減策も同時提案いたします。

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3.分電盤の交換費用の相場と内訳

分電盤交換は費用相場を見出しにくい工事で、規模や選定する機器によって数十万円から数百万円程度と大きく価格幅が生まれてしまいがちです。

選ぶ分電盤の種類や設置場所、既存の配線状況、必要な工事の規模によって費用が大きく変動する可能性があります。特に商業用や大型施設の場合、より複雑な配線作業が必要となることが多く、その結果、コストも上昇します。
また、太陽光発電システムに対応したブレーカーにも対応可能ですので、お気軽にご相談ください。
コストは規模や選択する機材により変動しますが、安全性を最優先に考えましょう。

太陽光発電システムをトータルサポート

では、具体的な分電盤の交換費用はいくらくらいなのでしょうか。
下記に具体的な交換費用の内訳をまとめてみましょう。

まず、内訳は、基本的な材料費と工事費に分けられます。
材料費には、分電盤そのものの価格や、新しい配線、ブレーカーなどの付属部品が、
一方、工事費には、古い分電盤の撤去、新しい分電盤の設置、配線の調整作業が含まれます。

3.1.分電盤の交換費用の内訳

分電盤交換の費用内訳は、以下の4つの主要な項目で構成されています。

1 分電盤本体の費用:300,000円〜3,000,000円
2 設置工事の費用:100,000円〜1,000,000円
3 既存分電盤の撤去費用:50,000円〜200,000円
4 その他の費用:10,000円〜200,000円(回路の増設など)

これらの費用は項目ごとに変動するため、総額は事前の詳細な見積もりが必要です。

3.2.契約容量変更に掛かる費用

分電盤の交換と同時に契約アンペアの変更をおこなう場合、契約内容によっては費用が発生します。
特に、大規模な容量増の場合、ブレーカーや幹線の入れ替えが必要で、そのために大きな費用が発生することがあります。企業や施設、マンションなどでは、電力需要の変化も見越したうえでの工事計画を立てることが大切です。

弊社では、現状の分析から最適な提案、費用見積もり、施工後のフォローアップまで一貫してサポートいたしますので、ご不明点がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

4.分電盤を交換する際の注意点

分電盤の交換は自分でおこなわず、必ず電気工事士の資格をもつ専門業者に依頼しましょう。
分電盤の交換を無資格者でおこなうことは非常に危険で、法律および安全基準に違反する可能性があります。

電気設備の取り扱いには専門的な訓練と認定が必要であり、専門業者に依頼することで事故やトラブルを防ぐことができます。
また、交換の際には電力供給の中断が生じるため、計画的に実施する必要があります。

5.信頼できる分電盤業者の選び方と見積もりを取る際のポイント

交換費用については規模や仕様により異なるため、複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

5.1.信頼できる業者の選び方

信頼できる業者を選ぶ際は、下記の点をチェックしましょう。

・見積もり内容や手続きが明瞭で透明性がある
・多数の企業や施設での実績がある
・工事後のアフターサービスが充実している
・迅速な対応体制

見積もりを取る際は詳細な費用内訳を確認することが大切です。不明瞭な部分があれば、必ず業者に質問し、納得のいく説明を求めましょう。
分電盤の定期点検やメンテナンスをおこなうことで、長期間にわたり安全性と機能性を維持できます。 分電盤の交換は業務の効率と安全性を保つための重要な投資ですので、慎重に検討しましょう。

5.2.見積もりを取る際のポイント

分電盤交換の見積もりを取る際には以下のポイントを押さえると良いでしょう。

1 仕様を確認する
頻繁に交換をおこなう設備ではないので、どのような仕様になっているかを確認し長期的な観点で安価となる方法であるかどうかを見極めましょう。

2 施工実績を確認する
分電盤の交換は長時間の停電を伴う作業ですので、やはり経験値が重要です。もちろん金額も非常に重要ですが、これは安心して任せられることが前提のうえでのことです。

3 保証とアフターサービスを確認する
作業後も安心して依頼できるように、保証内容やアフターサービスについて具体的に確認し、長期的なメンテナンス対応があるかどうかをチェックすることが肝心です。


弊社は、25,000社以上のお客様の省エネ・コスト削減のお手伝いをしてきました。分電盤交換だけではなく、現地の調査、工事、その後のアフターサービスなども含めた一気通貫したサービスが特徴です。

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6.まとめ:分電盤の交換はエスコにお任せ!安心して任せられる方法とは

分電盤は企業や施設、マンションの全体電力管理において極めて重要な役割を果たします。老朽化や過負荷が原因で、分電盤の性能が低下すると電気トラブルが発生しやすくなります。そのため、定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
分電盤の交換は専門的な作業です。信頼できる業者に依頼することで、トラブルを未然に防ぐことが可能です。定期的な点検をおこない、必要な場合には早めの交換を検討しましょう。

6.1.マンションから通電火災をなくす! ジャパン・レジリエンス・アワード4年連続受賞

弊社は、「マンションから通電火災をなくす!」という合言葉とともに、マンションのレジリエンス対策に取り組んでまいりました。その取り組みのひとつの形が感震センサーを後付けしたホーム分電盤です。

一般的にマンションは災害に強い建物といわれています。
震災時の倒壊や火災時の延焼リスクは木造の戸建て住宅と比較すると低いことは間違いありません。それがゆえに、マンションにおける震災時の対策が遅れてしまっていることは否めません。
その課題への取り組みが、ジャパン・レジリエンス・アワードに4年連続「優秀賞」を受賞する形で認められました

マンションは、いわばひとつの大きな街であり、都市のインフラともいえるでしょう。
万一の震災の際、マンションは「在宅避難」を呼びかけられています。つまり、一部屋でも火を出さないことがとても重要なのです。
つまり、震災時に最も多かった通電火災を防ぐための感震ブレーカーの設置は、マンションにこそ設置が必要ではないでしょうか。

まだまだ、感震ブレーカー普及は十分とはいえません。しかし、地震大国である我が国に住む私たちの生命・財産を守るため、分電盤の改修の際には感震センサーを後付けしたホーム分電盤をご検討ください。
また、感震ブレーカーの導入には補助金が出る自治体もありますので、ぜひ弊社にご相談ください。

マンション管理新聞に感震ブレーカーに対する記事が掲載されました

弊社では、創業以来多くのお客様の、あらゆる規模の事務所・工場・管理マンション・病院・学校等の施設のエネルギー関連工事を通じて、多くの実績と経験を積み上げてまいりました。
その際には、事前の相談・調査・設計から工事後のアフターケア・保守・保安までを一気通貫でおこなうことにより、お客様の要望に一致するサービスの提供を継続し、交換期間を過ぎた際にはリピートして戴けることを目標に精進してまいりました。
特に、施設の分電盤交換工事は経験と実績がものをいう難工事で、電気工事士の資格があれば誰でも対応できるというものではありません。

今後の施設の設備増強計画や幹線の更新計画などを慎重に勘案した上で、適切な分電盤を選択し、工事日程を組まなければなりません。是非とも技術に裏付けられた実績と経験の豊富なエスコにまずはご相談いただければと存じます。

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