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2024.10.21
私たちが毎月支払っている電気代。
それはどのようなもので構成され、どのように計算されているのでしょうか。
この記事では、電気代の「基本料金」と「電力量料金」の仕組み、そして「再エネ賦課金」についても解説します。
電気代は、基本料金 と 燃料費調整額を含む電力量料金 と 再生可能エネルギー発電促進賦課金 で構成されています。
電気は、私たちの生活を支える重要なインフラです。
そのため電気料金は、消費者が不当な金額を支払うことがないよう、また電力会社もかかった費用を回収できるようにという考え方のもと、原価主義・公正報酬・公平をうたう電気料金の三原則があります。
原価主義の原則
料金は、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものでなければならない
公正報酬の原則
設備投資等の資金調達コストとして、事業の報酬は公正なものでなければならない
電気の使用者に対する公平の原則
電気事業の公益性という特質上、お客さまに対する料金は公正なものでなければならない
では、ひとつずつ電気代について分解してみていきましょう。
電気代の基本料金とは、電力会社が設定している月々かかる固定料金のことで、契約プランにより異なります。たとえ電力を一切使わない月であったとしても、基本料金は発生します。
基本料金の内訳を見てみると、なぜ基本料金が設定されているのかが分かるかと思います。基本料金は、電力会社の施設維持管理費や人件費、機材費等で構成されています。
電気を安心して配電するための基本的なコストが基本料金なのです。
高圧・特別高圧の基本料金は、契約電力×料金単価×力率で計算されます。
高圧・特別高圧の場合の基本料金は、契約電力(kW)数に1kWあたりの料金をかけて計算されています。
では、契約電力はどのように決定されるのでしょうか。
契約電力500kW以上の場合は、使用する負荷設備や受電設備の負荷率を基準として、需要家と小売電気事業者との協議によって決定されます。
一方、500kW未満の場合は、過去1年間の各月の最大デマンド値が契約電力となります。
デマンド値とは、30分ごとの電力を測定した平均値のこと。
つまり、デマンド値が下がると比例して基本料金も下げることができるということです。
高圧電力の基本料金を下げるためには、最大デマンド値を下げることがもっとも効果的です。
エスコでは、デマンド監視装置・デマンドコントローラーのご提案も可能です。お気軽にご連絡ください。
高圧電力の料金の仕組みについては、下記の記事でも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
高圧電力とは? 電気の高圧、特別高圧、低圧電力の違いを分かりやすく説明
一般家庭だけではなく、法人でも低圧電力を利用しているところは多いかと思います。
低圧電力の場合は、主に従量電灯と呼ばれる100Vもしくは200Vの場合を指します。
従量電灯の基本料金は、
・契約アンペア制
・最低料金制
の2種類があります。
電力会社によって、契約アンペア制と最低料金制のどちらを採用しているのかは異なります。
基本料金が契約するアンペア数によって決められているのがアンペア制です。10Aから60Aまで選択でき、法人など電気の使用設備が多いほど、高いアンペアで契約する必要があり、基本料金が高くなります。
アンペアは、一人暮らしの場合は20A、四人世帯の場合は40A、法人の場合は設備にもよりますが50A以上というのがひとつの目安です。
北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、九州電力などが採用しています。
あらかじめ最低料金が設定されており、使用量がその金額を超えた場合に上乗せした料金を支払う仕組みです。
関西電力、四国電力、中国電力、沖縄電力などが採用しています。
新電力 の電力会社は最低料金制の料金体系を取っている会社が多くあります。
電力量料金とは、1か月に使用した電力量に応じて発生する料金と、燃料費調整額を合わせた料金のことです。従量料金など、異なる表現をする場合もありますが、使った分だけ課金される仕組みは同じです。
電力量料金を求める計算式は下記のとおりです。
電力量料金= (1kWhあたりの料金単価×使用電力量) ± 燃料費調整額
多くの電力会社は、料金単価が三段階で上がるよう、設定しています。
一段階目が最も安い単価に設定されており、段階が上がるにつれ、料金単価も上がっていきます。
つまり、電力の使用量を抑えれば、効率的に節約が可能です。
三段階料金の制度が導入されたのは、1979年。前年に第4次中東戦争が勃発し、日本に輸入される原油価格が急騰したため、省エネ化が急務となったことからスタートしました。電気を多く使ったら、高い料金を支払わなくてはいけない、というこの仕組みは現在でも多くの電力会社が採用しています。
第一段階は、120kWhまでの使用に適用される料金です。
どんな人でも電気を使えるよう、第一段階の料金は安価に設定されています。
第二段階は、300kWhまでの使用に適用される料金(北海道は280kWhまで)です。
一般的な家庭における平均的な料金に設定されています。
第三段階は、301kWh以上の使用に適用される料金(北海道は281kWh以上)です。
省エネルギーを促す目的で、料金は高く設定されています。
燃料費調整額とは、1996年に導入され、原材料(原油・石炭・液化天然ガスなど)の価格変化に応じて上下する金額のことです。
例えば、2022年に勃発したロシアのウクライナ侵攻にともなう影響により燃料費が高騰しましたが、この影響は燃料費調整額で調整されました。なぜ、このような調整額が設けられているのかというと、経済情勢に応じた変化に即対応し、電気会社の経営の安定化を図るためです。もし燃料費調整額がなく、経済情勢の影響を価格に転嫁できない場合、電気会社は事業を続けていくことが困難になります。特に、燃料費の多くを輸入でまかなっている日本にとっては、事業を続けていくために必要な調整弁なのです。
とはいえ、先ほども触れたロシアのウクライナ侵攻の影響は大きく、さらに円安も進行しているため、燃料費調整額は上がり、結果電気代も値上げしています。
燃料輸入価格の推移
ただし、燃料費調整額に上限を設定している電力会社も多く、上限があるプランでは燃料費が高騰していても、その値上げはストップしています。そして、上限を上回った調達コストは電力会社が負担することになります。また、上限の設定は、電力会社によって異なります。
では、燃料費調整単価はどのように計算されているのでしょうか。
原油・石炭・液化天然ガスそれぞれの貿易統計価格などの3ヵ月の平均燃料価格から、現在の基準となっている燃料価格を引いた値に、基準単価などの係数をかけて算出します。電力会社により、燃料調達コストは異なりますので、電力会社ごと、また低圧・高圧によっても燃料費調整額は異なります。
燃料費調整単価 = 燃料費調整単価=(月の平均燃料価格-基準燃料価格)×基準単価/1,000円
・平均燃料価格:燃料価格の3カ月平均
・基準燃料価格:現在の料金設定をした際の燃料価格
基準燃料価格より、平均燃料価格が安い場合はマイナス調整、高い場合はプラス調整になります。
「再エネ賦課金」の正式名称は「再生エネルギー発電促進賦課金」です。
そもそも、再エネ賦課金は太陽光発電や風力発電、バイオマス発電などの化石エネルギーを使用しない再生可能エネルギーをさらに普及させるために作られた国の制度です。
再生可能エネルギーは、化石燃料に比べて発電コストが高い傾向があり、再生可能エネルギーを普及させるためには、一定のサポートが欠かせません。そのため、再生可能エネルギーで発電された電気を高く買い取ることを電力会社に義務付け、その費用を利用者みんなで負担してもらっているのです。
再エネ賦課金は、電気料金の一部として電気会社が預かりますが、そのまま国の指定期間に納入します。賦課金の単価は毎年国が見直しをおこなっています。
再エネ賦課金の単価は、再エネを買い取るコストから、再エネを買い取らなかった場合の調達コストの推計を引いて、事務費を足した金額に、販売電力量で割った金額が再エネ賦課金の単価です。
再エネ賦課金単価の計算方法は下記です。
再エネ賦課金単価 = (再エネ買取費用 + 回避可能費用 + 事務費) ÷ 販売電力量
・再エネ買取費用:再エネを買い取る費用の推計
・回避可能費用:再エネを買い取らなかったときの発電や調達にかかるだろう費用の推計。市場価格と連動
・販売電力量:過去の実績をもとに推計
電気代の内訳と仕組みについて、解説をしてきました。電気代を削減しようと思ったら、電気代を構成する項目を把握し、どの項目がいくらくらいなのかを確認しておきましょう。
もし、基本料金を下げたいとお考えでしたら株式会社エスコにご相談ください。
弊社で60,000台以上の導入実績のある電子ブレーカーは、電気基本料金を平均50%削減可能です。
電気はインフラです。短期的ではなく長期的な視点で比較検討し、安心できる選択をしていきましょう。
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