2024.10.31
照明器具交換が必要な理由とその方法 蛍光灯の場合とLEDの場合を詳しく解説
2012年ごろから普及し始めたLED。 まだLED化していない人はもちろん、以前にLEDに変えたけれどそろそろ交換時期が来ているかも…という方に向けて、LED照明の交換について解説いたします。 エスコに問い合わせをする […]
- LED
2024.09.03
家庭でも多く使われるようになってきたLED照明ですが、マンション共用部や工場・オフィスでも電気代節約のために導入される事例が増えてきています。LEDを使うためには電球部分を変えればいいと思われがちですが、実は工事が必要な場合もあります。本記事ではLED化をするのに何が必要なのか、どんなメリットがあるのかをご紹介します。
こんな方におすすめです。
・分譲マンションの管理会社にお勤めの方
・分譲マンションの管理組合の役員(理事長・理事)の方
・一般企業の施設管理部門にお勤めの方
・不動産管理会社フロントでお勤めの方
LED照明を導入するのはどうしたらいいのか、電球をLEDに交換するだけでいいのでは、と考える方もいらっしゃるでしょう。LEDの導入には、工事が必要ない場合と工事が必要な場合があります。
工事の必要性の有無は何で変わるのか、説明します。
図1:LED電球
図2:丸い形シーリングライト
図3:配線器具
一番馴染みがあるのは、家庭のLED電球かもしれません。LED電球とは、電球のように丸い形状をしたLED(図1)で、既存の電球と交換する場合、自分で付け替えることができ、工事不要です。
他にも、家庭では、丸型のシーリングライト(図2)が使われています。一般的に、天井に配線器具(図3)が設置されており、配線器具にもさまざまな形があります。
図3の配線器具は、引掛けシーリングローゼットと呼ばれており、照明を天井に取り付けるための電源ソケットとプラグの役割をしています。交換方法は、この配線器具に照明器具本体をカチッとはめるだけなので、こちらも工事は不要です。
図4:直管蛍光灯
図5:シーリングライト
図6:ダウンライト
では、マンション共用部、オフィス、工場の場合はどうでしょうか。
主に、直管蛍光灯(図4)、シーリングライト(図5)、ダウンライト(図6)などが使われており、ほとんどの場合、工事が必要になります。これは、LED照明に不要な安定器を外し、直接電線を差し込む配線工事が必要となるからです。
蛍光灯や水銀灯は、放電現象を利用した光源です。この放電現象は不安定で電源に直接繋ぐと電流が急激に増えてランプが壊れてしまいます。この電流を制限するためのものが安定器です。LED照明は、放電することなく電圧をかけて発光する照明なので、安定器が必要ありません。そのため、蛍光灯をLEDに交換する際には、不要な安定器を外す工事をおこないます。
LED工事に発生する作業には電気が安定器を通らないようにするバイパス工事と、そもそも安定器がついた器具ごと取り外す器具交換があります。
バイパス工事には、片側給電式と両側給電式の2種類があります。片側給電式とは、残存する器具の片方に電線を2本通す工事です。両側給電式とは、残存する器具の両側に1本ずつ電線を通します。
どちらの工事をおこなうのかは、使用するLED照明によって変わってきます。作業としては配線しなおすだけですが、電気工事士の資格がないと施工することができません。
これから使用するLED照明がどちらの給電式に対応するのかも含めて、電気工事士の方によく相談しておきましょう。
器具交換をおこなう場合は、今ついている照明の接続器具まですべて取り外し、新しく付け替えることになります。この場合は給電式を考える必要はなく、取り替えた器具がどちらなのかを確認すれば最適なLED照明を選べます。
LED照明に切り替えると、多くのメリットがあります。どんなメリットがあるのか、ひとつずつ解説していきます。
LED照明の大きなメリットとして、寿命が極めて長いことが挙げられます。白熱電球の寿命が約1,000~2,000時間、蛍光灯が約13,000時間、LED照明は約40,000時間と言われています。
寿命が長いということは、交換周期も延びるということです。電球の費用だけではなく、工場やビル等で高額になる高所での交換にかかる費用も少なく抑えられます。寿命が長いにもかかわらず消費電力は白熱電球の20%程度と少ないのも大きなメリットです。
LED照明の消費電力と電気代は︖蛍光灯・白熱電球と徹底比較︕
LED照明は、光自体は赤外線を出さないのでほとんど発熱しません。そのため火災の危険が少ないといえます。ただし、熱を出さないのは光だけで電源部分と発光部分は高温になります。
LED電球は熱を逃がすために工夫されており、本体の放熱板を通して電源部分や発光部分の熱を逃がす構造になっています。そのため、熱のこもりにくい環境で使う必要があります。浴室のような熱がこもりやすい場所でなければ、安全に使うことができます。
LED照明は、点灯速度が非常に早いのもメリットです。蛍光灯や水銀灯などでは、スイッチを入れてから完全に明るくなるまで時間を要します。しかしLED照明の場合は、スイッチを入れた瞬間に完全に明るくなります。したがって、人感センサーと連動した照明にも相性が良いといえます。
マンションの共用部分などに設置する場合、夕暮れ時に点灯して明るくなるまで時間がかかると薄暗くて見えづらくなりますが、LED照明ならすぐに明るくなるため防犯性、安全性も高くなります。
白熱電球や蛍光灯は、人間の目に見えない紫外線も発生しています。そのため、紫外線に感受性がある虫や、正の走光性といって光に向かっていく性質を持つ虫が集まってきます。夏の夜の街路灯や自動販売機にはよく虫が群がっていますよね。
LED照明には紫外線を出すものとほとんど出さないものがあります。紫外線を出すのは主に殺菌灯などに使われるタイプで、その他のものは白熱電球などに比べほんのわずかしか紫外線を出しません。
そのため、白熱電球や蛍光灯に寄ってくる虫がLED照明には寄ってきません。虫が照明器具内に入ってくることが少ないので故障しづらく、交換やメンテナンス頻度も少なくなります。
白熱電球や蛍光灯は、寒いところだと明るくなるまでに時間がかかったり、そもそも点灯しないこともありえます。しかしLED照明は、寒いところでもすぐに明るくなります。
これは、LED照明が「電圧をかけることで発光する照明」だからです。プラスからマイナスに向かって電流を流したときに生じる電圧降下を順電圧といいますが、これが大きくなるほどLED照明は明るくなります。
順電圧は、周囲が高温であるときよりも低温である時の方が大きくなる傾向にあるので、むしろ低温の時の方が明るくなる傾向にあるわけです。そのため寒冷地の屋外などにも向いています。
なぜバイパス工事が必要なのか、安定器をそのままにしておいてはいけないのか疑問を持たれるかもしれません。LED照明自体には、安定器を通しても点灯するものもあります。
しかし、安定器をそのままにしておくと、安定器自体が壊れたり古くなったりした場合に、LED照明がつかなくなることがあります。また安定器に電流を通すことで、本来消費しなくていい電力を消費することになります。
LED照明は点灯可能時間が極めて長く、メンテナンスもさほど必要ないのが大きなメリットのひとつです。安定器を通すことでそのメリットが失われてしまいます。そのメリットを活かすためにバイパス工事、または器具交換が必要なのです。
バイパス工事をするメリットとして、照明のデザインが変わらない、ということが挙げられます。器具部分に合うLED照明を用意すればよいので、見た目を変えずにLED照明にすることができます。
また、バイパス工事の場合は器具交換が不要なので、必要な費用も少なく抑えられます。
バイパス工事のデメリットは、器具自体が古くなってしまうと照明がつかず、器具を交換する必要が出てくることです。長年使っている器具である場合は、バイパス工事をおこなわずに器具交換をしてしまった方がよい場合がほとんどです。
LEDへの交換は、確かに難易度の高い工事ではありません。しかし、自分たちで作業をおこなうと、漏電や火災などに繋がってしまう可能性があるため、電気工事士の資格を持つ専門業者への依頼が必須です。特に、LED工事のうちバイパス工事は電気工事のため、必ず電気工事士の資格をもつ専門業者に依頼する必要があります。器具交換の際も取り外すときには電気工事士の資格を持つ方に作業してもらいましょう。
電気工事士に依頼をする際には、実績も確認すると良いでしょう。
また、アフターサービスや補助金など、LED工事に付随するサポートがしっかりしている業者を選ぶと安心です。
特にLED工事は、省エネ設備投資の補助金対象になりやすいため、最新の情報をもつ企業に相談することで、新しい選択肢を得られるかもしれません。
弊社では、1万件を超えるLED照明の工事実績を持つだけではなく、省エネ診断、補助金・助成金活用から設備更新工事までワンストップでお客様のニーズにお応えしています。
また、重要なポイントとして、中立の立場の業者を選ぶことが挙げられます。
LEDは、さまざまな種類・特徴があります。
例えば、省エネ性能を重視して消費電力が低いものや、消費電力は高いものの明るさ重視のもの、生鮮食品用に調整したもの…などなど。
そのため、中立的な立場にいる業者のほうがお客様のニーズにもっともマッチする製品をご提案することが可能です。
弊社では、商品の性能だけではなく、色やリードタイム、費用対効果など、最新の情報の中からお客様の課題に応えられる商品をご提案することが可能です。
弊社取り扱いメーカーの一例
パナソニック
オーデリック
東芝
大光電機
三菱電機
SKC Lighting
遠藤照明
カメイ
コイズミ照明
内田洋行
岩崎電気 など
依頼する前に、見積もりをしっかりチェックしましょう。
単に金額を見るだけではなく、工事内容の詳細や使用する材料、保証期間などを注意深く見てください。
特に、安すぎる見積もりには注意が必要です。
価格が安い場合、必要な作業が省略されていたり、低品質な材料が使われる可能性があります。また、追加費用が発生することもあるため、事前に確認しておくことが重要です。
逆に高すぎる場合には、必要ではない箇所の工事が含まれている可能性もあります。
内訳をしっかり確認し、必ず内容を理解したうえで依頼をするようにしましょう。
複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格や工事内容を比較しやすくなります。納得のいく内容で契約を進めることを心掛けましょう。
LED工事に対する補助金制度はあります。
例えば、都道府県単位で実施している補助金のほか、経済産業省が実施している補助金もあります。
いくつかご紹介します。
東京都では、LED照明等節電促進助成金として設置にかかる金額の半分以内、30万円~1,500万円の間で助成金事業をおこなっています。
参考:公益財団法人 東京都中小企業振興公社 LED照明等節電促進助成金
東京都のマンション共用部のLEDについては、助成金情報をまとめております。あわせてご参考ください。
その他の地域でも、LED化への補助金制度はあります。ぜひお気軽にお問い合わせください。
経済産業省が先進的省エネルギー投資促進支援事業補助金という事業をおこなっています。
ただし、令和6年度は新規事業の公募および採択は実施せず、令和4年度以前に初年度採択された複数年度事業を対象としています。
参考:SII 令和6年度 先進的省エネルギー投資促進支援事業
LED化工事の費用相場は、取り付ける場所や規模、既存の設備によって大きく変動します。 LED照明本体は、消費ワット数により価格が異なります。20w未満であれば1,000円~2,000円程度、100w程度であれば、2,000~3,000円程度で購入可能です。
家庭の場合、リビングや和室など部屋の雰囲気や用途に合わせたLEDを選ぶことができますが、大規模なオフィスや工場などでのLED交換工事については、全体のライト数によって、総費用が数十万円から数百万円に及ぶこともあります。工事費用に含まれるのは、既存器具の取り外し、新しいLED器具の取り付け、配線の変更などです。また、設置後の調整や保守契約が含まれる場合もあります。
しかし、LED化することにより、従来よりもコスト削減が可能になるため、投資した工事代金を数年で回収することが可能です。
賃貸物件など、LED工事ができないケースもあることでしょう。
LED工事が必ずしも必要ではなく、工事不要なケースも存在します。
例えば、既存の蛍光灯器具にそのまま装着できる「直管型のLED蛍光灯」は、簡単に取り替えることが可能です。このタイプのLEDは、既存の器具をそのまま利用できるため、通常の電球のように差し替えるだけで済みます。
ただし、安定器の種類によって装着できるかどうかが異なります。
安定器には、磁気回路式安定器(銅鉄式)と電子安定器(インバーター式)とがあります。
磁気回路部品を使っているため、磁気回路式安定器と呼ばれています。磁気が通る鉄心に銅線が巻きつけられた構造をしており、点灯方式にはグロースタータ形と、ラピッドスタート形が含まれます。
グロースタータ式は、点灯まで少し時間がかかり、ちらつきもありますが安価で広く出回っている蛍光灯です。
一方ラピッドスタート式は、ラピッド(=速い)の名の通り、点灯までの時間が早く、点灯管(グローランプ)が必要ありません。
インバーター回路で高周波に変換して点灯させています。磁気回路式安定器と比べ、効率が良く、ちらつきも少ないのが特徴です。インバーター式の点灯方式(インバーター形)では、細かく明るさの調整も可能です。
「直管型のLED蛍光灯」は商品によって、使える安定器・点灯方式が異なりますので、事前にメーカーに確認するなどしてしっかり確認しましょう。
他にも、電池式や充電式のLEDランプもあります。これらは主に補助的な照明として使用され、配線作業が不要です。
また、既存のシーリングライトにそのまま取り付けられるLEDシーリングライトも、市販されていますが、いずれの場合も取り付ける前に、事前の確認が必要です。
LED照明は白熱球のおよそ20倍~40倍、蛍光灯の3倍程度の寿命があります。また白熱球と比較すると、消費電力はおよそ20%程度と省エネ効果が期待できます。
LED工事のうちバイパス工事は電気工事になりますので、電気工事士の資格が必要です。器具交換の際も取り外すときには電気工事士の資格を持つ方に作業してもらう必要があります。
販売している電球の口金の種類や給電式を確認して、対応するものであれば使用できます。間違って対応していないものを選ぶと使えないどころか故障する危険があるので、しっかり確認しましょう。
明るさは、下記を参考にしてください。
※lm = ルーメン
LED電球の明るさの単位です
20W、25W、30W、35W = 170lm
40W = 485lm
50W = 640lm
60W、75W = 810lm
80W = 1160lm
100W = 1520lm
150W、160W = 2400lm
省エネ性能や発光効率が高いものなど、上記の通りではない場合もあります。パッケージなどを参考に、適したものを選びましょう。
LEDとはLight Emitting Diodeを略したもので、発光ダイオードと呼ばれるものです。電圧をかけると発光する性質を持っており、現在までに赤、青、黄、緑、桃、白に発光する発光ダイオードが作られています。
2014年に青色発光ダイオードが開発されたことで、それまでに開発されていた赤、緑と合わせて光の3原色がすべて揃い、多くの色をLEDで再現できるようになったのです。特に白を再現できるようになったことで、多くのLED照明機器が生産されるようになりました。
バイパス工事をおこなった場合の話ですが、この場合は電流が安定器を通りません。そのため、元々使っていた白熱球や蛍光灯は使えなくなります。例えばLED照明が点灯しなくなったとしても、代替としてLED以外の照明を使うと危険です。バイパス工事をしたものはLED照明専用としましょう。
また、LED照明は熱のこもる環境に弱いです。例えば浴室などにLED照明を使用する場合は、専用のLED照明(密閉型器具に対応しているもの、防湿照明器具対応のもの)を選ぶ必要があります。必ず外箱を確認しましょう。
さらにLED照明のタイプにも気を配る必要があります。白熱球はそのままでも電球周囲全体に光が広がりますが、LED照明の光は直線的で広がりにくい性質があります。
LED照明には全光束タイプと広配光タイプがあり、全光束タイプは下に向かって180度照らすため天井などの高所に設置する場合に使います。広配光タイプは白熱球と同様に周囲300度を照らすため、壁などであまり高い場所でない部分に設置する場合に使います。
本記事では、LEDの工事に関する情報をご紹介しました。特に、マンションの共用部、オフィス、工場の場合はLEDの利用に際し、工事が必要となります。エスコには11,000件を超えるLEDの導入実績があります。工事を検討される際にはエスコにご相談ください。
また、2027年には、蛍光灯の製造・輸出入は廃止されることが決定いたしました。お早めにLED照明への切り替えをご検討ください。
参考 環境省
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